프로젝트2025年10月1日
未来の波が流れるオフィス、WAVVE社屋
著者 · SPACEBASE


2020年、新型コロナウイルスのパンデミックを契機に、OTTは単なる映像プラットフォームを超え、一つの文化として定着した。WAVVEもまた、急速に拡大する市場のなかで新たな社屋を構え、「楽しさの波に乗る」というブランドスローガンを空間のなかでいかに実現できるかを模索した。これを受けてSPACEBASE(以下スベ)は、WAVVEの業務環境と組織文化、そしてブランドアイデンティティを表現できる空間ブランディングを提案することとなった。
オフィスは企業の顔とも言える存在である。毎日新しい人々が出入りする空間において、訪問者が体験する雰囲気とイメージは、そのままその会社への印象となる。とりわけグローバル市場で熾烈に競争するOTT企業であれば、社内メンバーの働き方はもちろん、訪問者に伝わるブランドイメージまで細やかに設計しなければならない。今回のプロジェクトでは、スベとWAVVEがその過程をどのように紐解いていったのかを、ともに見ていく。
「楽しさの波」を空間として表現したWAVVEオフィス

Q. WAVVEがオフィス空間を新たに設計するにあたり、最も優先的に解決したかった課題は何でしたか。
新型コロナ以降、OTT市場が急激に成長するなかで、WAVVEもより広い空間と新しいアイデンティティを必要としていた。 2020年のパンデミックは、自宅でOTTコンテンツを楽しむ文化を日常へと変え、世界的に市場規模が拡大した。WAVVEもまた汝矣島へ社屋を拡張移転し、グローバルOTT企業としてのイメージを表現するオフィス空間を模索することとなった。
初めて訪れたときに受けた印象は、「空間にWAVVEならではのアイデンティティが不足している」というものだった。単なる業務空間以上の、WAVVEならではの哲学とブランドがよく表れた空間が必要だった。そこで「楽しさの波に乗る」というスローガンを、いかに空間的に表現できるかに集中した。

Q. 今回のプロジェクトの核となるデザインコンセプトは何でしたか。
WAVVEはOTTプラットフォームとして、単なる業務空間を超え、ブランドとコンテンツのアイデンティティを空間のなかで体験させたいと考えていた。そのために、仮想(Web)は軌道(Orbit)、現実(Real)は波動(Wave)という二つのキーワードを中心に、漂う数多のコンテンツが一つの接点へとつながるプラットフォームのイメージを空間に表現した。
既存のオフィスで不足していたWAVVEならではの色とアイデンティティを補い、ブランド哲学を自然に体感できるようにすることが、今回のプロジェクトの核となる目標だった。
空間のなかのディテールが、ブランドを語る

Q. コンセプトを最もよく表している空間やディテールはどこだとお考えですか。
コンセプトを最もよく示す空間的なディテールは、露骨に見せつけることなく、随所に染み込んでいく要素である。私たちは空間を設計する際、見せるための装飾的な意味合いを避けている。ともすればすぐに飽きられたり、わざとらしく感じられたりしかねないからである。そこでWAVVEオフィスでは、「未来の波」というブランドストーリーを、隠すようにやわらかく溶け込ませる手法を選んだ。さまざまなスチール素材と青みのトーンの色を随所に配し、気づけば意味が感じられるディテールをつくろうとした。

とりわけ軌道(Orbit)の水平的要素と波動(Wave)の垂直的要素を組み合わせて立体的な空間(3D)を構成し、線(Line)、曲線(Curve)、段階的に広がっていく色という三つの言語を通じて、空間のつながりを生かした。
色は役割ごとに異なる形で適用し、ホワイトからディープネイビーまでのスペクトラムを活用して、別途のサインがなくとも機能を区分できるようにした。たとえばディープな色は、集中よりも利便性が重要なロッカールームやカフェテリアに、スカイブルー系統は、安らぎが必要なミーティングルームや女性休憩室(授乳室兼用)に適用した。

このように直接的に表れることなく、空間全体に自然に染み込んだディテールのおかげで、入居者と訪問者の双方がWAVVEのブランド哲学を体感でき、私たちもまたデザイン面で高い満足度を得ることができた。
設計とコミュニケーション:クライアントとともにつくった空間

Q. クライアントとのコミュニケーションはどのように進められましたか。
コミュニケーションは、単に書類をやり取りするだけにとどまらず、リアルタイムで対話しながら設計を調整する形で進めた。各部署の実務担当者とクライアントがともに参加する専用のコミュニケーション空間を活用し、細部に至るまで素早く確認し、フィードバックをすぐに反映することができた。

クライアントは、大きな方向性とコンセプトを私たちが先に提案することを望んでおり、私たちの提案を信頼して受け入れてくださった。おかげで細やかなディテールにまで気を配ることができ、空間の随所にWAVVEならではのアイデンティティを溶け込ませることができた。
実のところ、こうした進め方はWAVVEプロジェクトに限らず、スベが手がけるほとんどのプロジェクトにおいても同様に適用されるアプローチである。クライアントとの緊密なコミュニケーションこそが、設計のディテールを生かせると考えている。
設計とコミュニケーション:クライアントとともにつくった空間

Q. 今回のWAVVEオフィスプロジェクトにおいて、タウンホールとワークスペースの空間を設計する際、最も重点的に考慮した点は何ですか。
タウンホールとワークスペースは、それぞれの機能と目的に合わせて、空間体験と業務効率を同時に生かす設計を模索した。タウンホールは単なる会議空間ではなく、ブランド体験を見せる中核的な空間として設計した。
チームメンバーが快適に食事をし、さまざまなイベントを行えるよう空間を構成し、「未来の波」というWAVVEのコンセプトを、金属パネルと海を連想させるカーペットのパターンで表現することで、ブランドアイデンティティを自然に伝えられるようにした。

ワークスペースは、社員が業務に集中しながらも、会議やブレインストーミング、即興的なアイデア共有が自然に行われるよう、業務効率と協業環境を最優先に考慮した。
そのために、部署ごとの業務の性格と協力の形に合わせて動線を設計し、付帯施設と業務施設を明確に分離して集中度を高めた。さらに、色彩や家具の配置、空間の流れを通じて、自然に相互作用が生まれるようデザインした。
このように二つの空間はいずれも、機能と体験を同時に考慮した設計を通じて、WAVVEオフィスのブランド価値と業務効率をともに生かすことができた。

Q. 完工後、注目すべき変化はありましたか。
何よりも、社員向け施設の拡充が大きな変化を生み出した。カプセルベッドやカフェテリア、フォンブース、フォーカスルーム、女性休憩室、デモルームなど、さまざまな空間が新たに設けられ、業務と休息、協業が有機的につながる環境をつくろうとした。
二度にわたる施工と拡張によって完成したWAVVE社屋

1次WAVVE竣工写真

2次WAVVE竣工写真
WAVVE社屋は、ただ一度の施工で完成したわけではない。1次工事からわずか1年で、急速な成長により増床が必要となり、同一建物内の15階へと2次拡張を行うこととなった。
興味深いのは、WAVVEがふたたびスベとともに歩むことを決めたという点である。これは、単なる空間施工への満足を超えて、企業哲学を空間に表現するスベの設計手法への信頼へとつながった。
二度の施工を経て、WAVVEオフィスは次第に進化していった。最も大きな変化は社員福祉と利便施設の強化であり、これを通じて社内に空間への肯定的な経験が積み重なっていった。さらに「未来の波」というコンセプトを拡張し、14階と15階が一つの物語としてつながるよう設計した。
その結果、総800坪規模へと拡張されたオフィスは、業務と休息、協業をいっそう有機的につなぐ環境へと発展し、WAVVEならではのブランドアイデンティティもまた、より確固たるものとなった。
スベはWAVVEオフィスを通じて、単なる空間設計を超え、企業の哲学とビジョンを効果的に表現できることを示した。信頼感のある第一印象、柔軟な協業環境、そして効率的な動線は、WAVVEのブランドイメージを強化し、社内メンバーと外部の訪問者の双方に肯定的な体験を提供している。
とりわけ1次施工から2次施工へとつながった拡張は、WAVVEの成長とともに、スベの設計哲学が継続的に信頼されてきたことを示している。二度にわたる施工を通じて、WAVVEならではのブランドアイデンティティはよりいっそう確固たるものとなり、空間は単なる「目に見えるデザイン」を超え、企業の文化と未来を直観的に体験させる答えとなった。
*写真・デザイン提供_スベ
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