프로젝트2025年7月31日
無彩色の技術に温もりをまとわせた空間、「リアルワールド」
著者 · SPACEBASE


未来社会を思い描くと、なぜか人間よりも先に機械が頭に浮かぶ。メタリックな色彩で満たされた空間、空と地上にロボット型の機械が溢れる光景が連想される。機械で埋め尽くされた世界に人為的に自然の要素を加えるという、その隔たりそのものが、我々が抱く「未来の産業」に対する先入観なのかもしれない。しかし、我々の社会は人間と技術が調和した世界へと進んでいる。機械と人間が協業する姿は、もはや自然なものである。機械は正確で信頼できるパートナーとして、我々が望む暮らしを描き出し、人間の残虐さが無慈悲に破壊してしまった地球の本来の姿を取り戻すために思いを巡らせることもある。
リアルワールドは、人間と機械の調和ある共存のために、温かく賢いロボット技術で世界を進歩させる企業である。構成員全員が知恵を出し合い、現実と産業に適用できる知能型ロボティクス技術を開発している。SPACEBASE(以下「SB」)は、こうしたリアルワールドの夢を込めた新たなオフィス空間を作り上げた。精密な技術力を基盤とした産業のイメージを具現しつつも、長い時間を過ごす利用者に快適さを提供する環境を整えることが、今回のプロジェクトの核心的な目標であった。
技術と感性の均衡から生み出された快適さ
SBは、リアルワールドのアイデンティティとビジョンが際立ちつつも、利用者を基盤とした機能的なオフィスを作るために、いくつもの案を構想した。未来志向、最先端技術、機械という核心キーワードから連想されるイメージを基盤としながらも、ともすれば冷たく非人間的な雰囲気として演出されないよう均衡を取ることが目標であった。発展した未来技術と機械の効率性を構造的な形態として視覚化しつつも、全体的な雰囲気が過度に冷ややかにならないよう設計を検討した。

SBが思い描いた「未来志向的なコンセプト」と「温かな雰囲気」が調和した社屋のイメージ。
Step 1. 素材を通したアイデンティティの具現
まず、精密なロボティクス技術と調和する空間を作るために、産業用プロファイルを主材料として活用する。リアルワールドの事業目標を聞いて思い浮かべた「ロボット」と「最先端技術」というキーワードが持つイメージを具現する、最適な道具だと考えたからである。

リアルワールドのアイデンティティであるロボットを連想させる空間を構想する際に、ChatGPTで制作したイメージ。
空間構想の当時にChatGPTを用いて制作したイメージを見ると、全体的に我々が容易に思い浮かべる「未来」の代表的な特徴が表れている。スマートなロボット、華やかなディスプレイと照明、滑らかで清潔感のある色合いの材料などがそれである。SBはこのイメージを、リアルワールドのオフィス全般に直観的に溶け込ませた。ロボット、技術力という点と結びつくプラント(工場)らしさを具現するために、全体的に直線を強調する。構造的なリズム感を強調しようと重なり合う照明ラインを設置し、家具と什器はすべてプロファイルで直接製作した。主に工場の設計に頻繁に用いられるこの銀色のプロファイルは、空間全体に整然とした機械的な雰囲気を醸し出しつつも、誰もがリアルワールドの核心である「ロボット」を思い浮かべられるようにする、優れた道具となった。

プラント(工場)らしさを出そうと直線のラインを活用した姿。

(左)プロファイルを適用したディテール。(右)空間ブランディングに合わせたペンダント。細部の領域までリアルワールドのアイデンティティを込めようとしたSBの工夫がうかがえる。
Step 2. 利用者のために随所に加えた温もり
過度に冷たい空間の雰囲気を避けることも重要な目標であった。実際に空間を使う人々が、オフィスを堅苦しく非人間的な空間として感じないようにである。SBは、皆の視線、手、足が触れる場所ごとに、温かな美しさを持つ要素を細やかに付け加え、長く留まりたくなるオフィスを作り上げた。
そのために、滑らかで冷たく輝くプロファイル構造物の中でも利用者が快適さを感じられるよう、微細な砂の粒子が混合された特殊塗装を使用した。さらに質感の強いアートペインティングで壁面を仕上げ、構造物の随所に明るいウッドを使用した。図面上では社屋が地下に位置しているため暗く冷たそうに見えるが、明るい自然光が差し込む通し窓を用いて空間全体の照度を高める設計を緻密に反映した。このように反転する要素どうしの調和が空間の緊張感を和らげ、利用者に予想外の温もりを伝えてくれる。


ウッドとプロファイルを共に活用して設計したラウンジ空間。機械の冷たい感性と、木材・自然光が醸し出す温かな感性が自然に調和する。
業務への没入度を引き上げる動線の秘密

オフィス設計において最も重要な要素は、何といっても「業務への没入に最適化された環境」を整えることである。外部の人と内部の人の動線を完璧に区分し、不便な状況を最小化することも、そうした検討の延長線上にあると言える。外部からの訪問が多いリアルワールドの特性上、会議室と社員が常駐する業務空間を分離する一方で、全体的な動線を効率的に設計することが極めて重要であった。

SBが具現しようとした会議室の試案イメージ。

実際に具現されたリアルワールドの会議室の姿。
オフィスに適度な緊張感を与えられつつも、あまり閉鎖的な構造にならないよう各空間を配置することが核心であった。会議室と事務空間がどのような関係で配置されるかによって、社員の業務集中度や部署間の相互作用がさまざまな影響を受けうるからである。これを踏まえ、SBは社員が主に使用する空間と部署ごとの特徴を考慮し、三つの動線シナリオを提案した。
Option 1. 会議室の用途に応じた設計

代替案1:訪問者専用の会議室と構成員用の会議室を分離させた形態。

代替案1の初期パース。
一つ目は、会議室の用途を基準に動線を構想した。社員の業務空間を経由せず入口からすぐに入れるラウンジと隣接した場所に、外部の訪問者のための会議室を配置し、社員どうしの会議は事務空間のすぐ隣に配置された会議室で行えるようにしたのである。利用者の特性に合わせて会議室への移動を最小化した、効率的な配置であった。
Option 2. 使用目的に集中した設計(最終採択案)

代替案2:会議の動線と業務の動線を分離させた形態。

代替案2の初期パース。
二つ目の案では、空間の使用目的が重要に考慮された。内部の構成員であれ外部の訪問者であれ、会議のためには皆、タウンホール・カフェテリアと隣接した会議室専用の空間へ移動しなければならない。会議室が集まった領域と業務空間がある領域を完全に分離し、社員の業務集中度を高めようという構想であった。実際にこれは、他の多くの企業のオフィスでも頻繁に適用される構造である。幾段階もの議論を経て、リアルワールドはこの二つ目の案を最終的に採択した。
Option 3. 部署の類型に応じた設計

代替案3:管理チームと他の組織を分離させた形態。

代替案3の初期パース。
三つ目の案は、部署の類型に応じて空間を分離する方式であった。配置図上、左下にオペレーションチームのための業務空間が別途配置されている点が際立つ。一方で、外部の人との接触が多い営業チームの業務空間は、会議室が集まっている領域に共に配置されている。
一般的に、オフィス空間において管理チーム(経営支援チーム、総務チーム、人事チームなど)を分離配置するのは、管理チームの業務特性に起因する。管理チームは各部署を調整し統制する役割を担うため、他のチームと同一の空間にいる場合、緊張を引き起こしうるという慎重を要する短所が存在する。こうした不要な相互作用を排除するために、他部署との距離を取る必要があることを考慮した構成であった。あわせて、管理チームが担当する主な業務の特徴を考慮し、セキュリティの維持および内外部との接触頻度を減らす意図も反映された。機能的な効率性と組織内の心理的均衡を考慮した空間設計であった。
目的に集中した配置で業務効率を最大化する
リアルワールドとの議論を経て、最終的に会議室の領域と業務空間の領域を分離する二つ目の案が採択された。当該案で最も重要に考慮した要素である「業務集中度の向上」のために、訪問者が内部の業務空間を経由せずとも会議室に入場できるようにした。
壁面を活用して自然に動線を誘導し領域を区分しつつも、四方が開け放たれた構造を適用して視覚的な開放感を確保した。さらに各会議室の仕上げ材は、共用空間であるラウンジとつながる材料を使用し、自然に空間がつながって見える効果を生み出した。このように効率的でありながらデザイン的な要素を加えた設計のおかげで、孤立感や閉鎖感なく業務に没入できる空間を具現することができた。

ラウンジから眺めた会議室の姿。

リアルワールドの業務空間。ブランドが追求するイメージを生かしたグレーの色合いと直線的な配置が際立つ。
自然を抱いた空間、皆のためのラウンジ

会議室へと続くリアルワールドのラウンジの姿。自然から得た材料を活用して空間内の緊張感を和らげ、空間と人との間のつながりを加えようとした。
リアルワールド社屋の自慢は、仕事に疲れた心を束の間癒やし、ひっそりと過ごせるラウンジ空間である。独特な構造で、一般的な企業の社屋デザインとは差別化される魅力を持っている。毎日熾烈な議論が続く業務空間での緊張と疲労を和らげられるよう、「人を抱きしめるラウンジ」として設計された。

サンクンから眺めたラウンジの姿を反映したパース。

完成したサンクンの姿。明るく差し込む陽光がオフィス空間に温もりを添えてくれる。
SBは「サンクン構造」を取り入れ、社屋が位置する地下空間に自然光を引き込み、開放感のある休息空間を具現した。これはリアルワールド社屋ならではの、最も差別化された構造だと言える。一般的に社屋は地層にあることが稀であるため、サンクン、ボイド、テラスなど大地を活用した建築デザインが難しい。しかしリアルワールド社屋は、大地とつながっているという長所があった。外部の自然を建築物の内部に引き込める社屋の構造的な長所を生かし、SBはリアルワールドだけの空間を構想した。

リアルワールドのラウンジの試案イメージ。

サンクン構造を活用して実際に具現されたリアルワールドのラウンジの全景。
外部に向かって設けられた大きな通し窓は、明るい陽光を内へ取り込み、息苦しい地下空間の短所を効果的に補う。ここで構成員は、四季の移ろいを感じられる木々を眺めながら休息を取ることができる。それだけでなく、苔や石など自然の要素を装飾として活用したインテリアは、空間にいっそう温かな生き生きとした躍動感を添える。

確定したラウンジのパース。ラウンジに集まる利用者どうしの交流とつながりを基本に構想した。

完成したラウンジの姿。
オフィスは家の次に長く留まる空間であるため、不便のないように計画されなければならない。すべての空間が細やかに設計されるべきだが、その中でもSBは、すべての人が集まるラウンジを、最も快適で穏やかな出会いの場にしようとした。ともすれば短所にとどまっていたであろう半地下の建築構造と各種のインテリア要素を戦略的に活用した結果、リアルワールドのラウンジは、殺伐として熾烈な業務の現場を越えて、皆を包み込む大きく開け放たれた場所となってくれている。
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リアルワールド社屋は、未来の産業が持つ精密さと、人間が持つ親しみやすさを調和的に溶け込ませた成果物である。SBは空間を、単なる機能の集合ではなく、構成員の価値を込める媒介として理解している。だからこそ、SBの哲学が込められたオフィスは、冷たく非人間的な未来に対する漠然とした偏見を越えて、優れた企業が思う存分に夢を広げられる包容的な空間として完成する。業務環境の本質を深く考え、組織の文化や働く人の態度までをも包み込む設計を志向しているからである。
技術の進歩、デザインの流行の変化のただ中にあっても、SBは常に「人間性」を失わないよう努めている。温かなデザインは、すなわち持続可能な関係と創造的な成果へとつながるという信念のもと、SBは今日も空間の可能性を探求する。我々はその中で、いっそう温かく発展した未来を想像することができる。
*写真・デザイン提供_SB
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